患者様の権利と責務
患者様の権利
良質で公正な医療を受ける権利
患者様は、差別なく、常にその最善の利益に基づいた適切で良質な医療を受ける権利を有します。医療は科学的根拠に基づき、すべての患者に公平に提供されるべきです(リスボン宣言の原則1および原則5)。
自由な選択と自己決定の権利
患者様は、担当の医師や医療機関を自由に選択し、治療や診断に関する自らの意思を決定する権利を有します。これには、治療の同意を与えるか、拒否する権利が含まれ、これは患者様の意識の有無にかかわらず尊重されます(リスボン宣言の原則2、3、4、6)。十分で理解しやすい情報を受ける権利
患者様は、自身の健康状態や治療に関して十分な情報を得る権利を有し、それが理解しやすい形で提供されることを求める権利があります。情報は患者様の文化や価値観に配慮して提供されるべきです(リスボン宣言の原則7および原則9)。
プライバシーと機密保持の権利
患者様の医療情報や個人情報は厳重に保護され、同意なく第三者に開示されることはありません。また、患者様の死後も秘密が守られる権利があります(リスボン宣言の原則8)。尊厳と人間性を尊重される権利
患者様は、その文化や価値観を尊重され、常に尊厳と人間性を保ちながら医療を受ける権利を有します。これには、痛みの緩和、終末期ケア、そして宗教的な支援を受ける権利が含まれます(リスボン宣言の原則10および原則11)。
患者様の責務
正確な情報を提供するとともに、疾病や医療を十分理解する責務
すべての患者様は、医療提供者が的確な判断を行えるよう、自分の健康に関する情報をできる限り正確に医療従事者へ伝える責務があります。また、自分の疾病や医療について十分理解する責務があります。
医療に積極的に取り組む責務
すべての患者様は、医療従事者と合意した検査や治療方針に対し、意欲を持って取り組む責務があります。
快適な医療関係づくりに協力する責務
すべての患者様は、他のすべての患者様が快適な環境で医療を受けることができるよう、病院の規則や病院職員の指示を守る責務があります。
社会的なルールを守る責務
すべての患者様は、社会的なルールを遵守し、他の患者様のプライバシーや権利を尊重し、また、医療費を適正に支払う責務があります。
医療における子ども憲章
- 1
人 として大切 にされ、自分 らしく生きる 権利 -
あなたは、
病気 や障害 、年齢 に関係 なく、人 として大切 にされ、あなたらしく生き る権利 を持って います。 - 2
子ども にとって一番 よいこと(子ども の最善 の利益 )を考えて もらう権利 -
あなたは、
医療 の場 であなたに関係 することが決められる とき、すべてにおいて、周囲 のおとなにそれが「あなたにとってもっとも良い ことか」を第一 に考えて もらえる権利 を持って います。 - 3
安心 ・安全 な環境 で生活 する権利 -
あなたはいつでも
自分 らしく健やか でいられるように、安全 ・安心 な環境 で生活 できるよう支えられる 権利 を持って います。もし、あなたが病気 になったときには安全 ・安心 な場 で、できるだけ不安 のないようなやり方 で医療 やケア (こころやからだの健康 のために必要 なお世話 )を受けられます 。 - 4
病院 などで親 や大切 な人 といっしょにいる権利 -
あなたは、
医療 を受ける とき、お父さん 、お母さん またはそれに代わる 人 とできる限り いっしょにいることができます。 - 5
必要 なことを教えて もらい、自分 の気持 ・希望 ・意見 を伝える 権利 -
あなたは、
自分 の健康 を守る ためのすべての情報 について、あなたにわかりやすい方法 で、説明 をうける権利 を持って います。そして、あなた自身 の方法 で、自分 の気持 ・希望 ・意見 を伝える 権利 を持って いて、できるだけその気持 ・希望 ・意見 の通り にできるように努力 してもらえます。 - 6
希望 どおりにならなかったときに理由 を説明 してもらう権利 -
あなたの
気持ち ・希望 ・意見 の通り にすることができない場合 は、なぜそうなったのか、その理由 などについてわかりやすい説明 を受けたり 、その理由 が納得 できないときは、さらにあなたの意見 を伝えたり する機会 があります。 - 7
差別 されず、こころやからだを傷つけられない 権利 -
あなたは、
病気 や障害 、その他 あらゆる面 において差別 されることなく、あなたのこころやからだを傷つける あらゆる行為 から守られます 。 - 8
自分 のことを勝手 にだれかに言われない 権利 -
あなたのからだや
病気 のことは、あなたにとって大切 な情報 であり、あなたのものです。あなたらしく生活 をすることを守る ために、あなたのからだや病気 、障害 に関す ることが他 のひとに伝わらない ように守られます 。また、だれかがあなたのからだや病気 、障害 のことを他 のひとに伝える 必要 があるときには、その理由 とともに伝えて もよいかをあなたに確認 します。 - 9
病気 のときも遊んだり 勉強 したりする権利 -
あなたは、
病気 や障害 の有無 に関わらず 、そして入院中 や災害 などを含む どんなときも、年齢 や症状 などにあった遊ぶ 権利 と学ぶ 権利 を持って おり、あなたらしく生活 することができます。 - 10
訓練 を受けた 専門的 なスタッフ から治療 とケア を受ける 権利 -
あなたは、
必要 な訓練 を受け 、技術 を身 につけたスタッフ によって医療 やケア (配慮 や気配り 、世話 など)を受ける 権利 を持って います。 - 11
今 だけではなく将来 も続けて 医療 やケア を受ける 権利 -
あなたは
継続的 な医療 やケア (配慮 や気配り 、世話 など)を受ける ことができます。また日々 の生活 の中 でさまざまな立場 のおとなに支えて もらう権利 を持って います。
障害者の権利
- 1
最善の医療と生命の保証(生命の尊厳) -
私たちは障害のある人たちの一人ひとりをかけがえのない存在として大切にします。
- 2
成長と発達の支援( 専門的な支援) -
私たちは自らの専門的役割と使命を自覚し、絶えず研鑽を重ね、障害のある人たちの一人ひとりが豊かな生活を実感し、充実した人生が送れるよう支援し続けます。
- 3 尊厳と意見の尊重(個人の尊厳・社会への参加)
-
私たちは、障害のある人たちの、ひとりの人間としての個性、主体性、可能性を尊び ます。そして年齢、障害の有無にかかわりなく、社会を構成する一員として市民生活が送れるよう支援します。
4 差別と暴力からの保護(人権の擁護)
私たちは、障害のある人たちに対する、いかなる差別、虐待、人権侵害も許さず、人としての権利を擁護します。